I.序文

 情報通信革命により、世界社会は、空間的かつ時間的に急激に狭まって変化している。コンピュータ産業部門のハードウェアとソフトウェアの発達は、人類文明のパターンを本質的に転換させているのみならず、コンピュータの発達と同時に進行しているインターネット産業の成長は、全世界を1つのネットワークに束ねている。名実共に、地球村時代に入ったのである。

 このように、今日は、過去のどの時よりも急激な変化の時代だと言え、このために、情報通信の発達を新しい文明の転換点と看取し、中世から近代に移行していた産業革命に比肩している。

 特に20世紀最後の10年間進行されてきたコンピュータとインターネットの発展速度を見ると、21世紀の変化速度と生活の形態は、想像を超越する。コンピュータとインターネットで連結されたネットワーキング(networking) こそ、新しい千年に向かったビッグバン(big bang)と言える。近付く新千年の共同体を分けて、俗に言う「触れられない」(intangible)、「仮想」(virtual)、「開かれた」(open)、「スマート」(smart)等の修飾語を付けているように、21世紀の環境は、今までとは全く異なる新しい世界であろう。

 新しいネットワーク・コミュニティ(network community)の主体は、世界ネットワークに連結した個人とネットワーク上の組織である。個人と組織がネットワーク上で、数十億の個人と数多くの組織と実時間で直接対面する世界であろう。このような点において、国家(政府)も、ネットワーク上では、1つのインターネット住所を持ったネットワーク上の個人、組織と異なるところがないかも知れない。ネットワーク・コミュニティでは、国家(政府)が開設したインターネット・ホームページや個人が開設したインターネット・ホームページも、全て同一の影響力を有し得る。インターネット自体には、中央という概念がなく、意思伝達の方式も、大規模伝播、伝達(broadcasting)ではなく、小規模伝播、伝達(narrowcasting)が中心概念となっている。

 個人は、インターネットを通して、全世界の各個人と機構に容易く 直接接近できる方法を確保でき、世界社会に及ぼす影響が過去より桁外れに高まることによって、個人は、結局、世界社会(国際関係)の核心的な行為主体(同時に行為客体)として登場させられた。

 このような事実により、政府間関係を中心としてきた過去の南北朝鮮関係は、望むが望むまいが、全く新しい変化の契機を迎えている。北朝鮮住民中でインターネットを使用する人口が極めて制限的という点において、このような変化は、北朝鮮よりも、主として韓国内で 起こるだろう。しかし、北朝鮮も、情報通信革命という巨大な波の外にいられないだろうという点において、今後、漸次ネットワーク・コミュニティに入っていくであろう。

 以下では、北朝鮮通信産業の現況と展望を先ず見てみた後、知識情報化が今後南北朝鮮関係に及ぼす影響を国際政治的観点から分析する。ただ、付け加えておきたいのは、この研究では、何よりも、知識情報化に対する深層的な理解が必須不可欠だが、科学技術的領域に対する政治学者としての限界を 痛感し、今後より出来た研究成果 のためには、学制的接近が必要だという点を強調しておきたい。

上へ 進む

最終更新日:2003/09/23

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル